はじめに
風俗営業許可の申請をする際、「警察署に事前相談って行った方がいいの?」という疑問を持つ事業者は少なくありません。
結論から言うと、**事前相談は“任意”ですが、実務上は「ほぼ必須」**と考えるべきです。
なぜなら、現地の警察署ごとに対応方針や申請実務の“ローカルルール”があるためです。この記事では、行政書士の立場から、警察署への事前相談の重要性と、現場でのポイント・注意点を解説します。
なぜ「事前相談」が重要なのか?
風俗営業許可は、警察(公安委員会)の審査を受けて許可される制度です。しかし実際の手続き窓口となるのは、店舗の所在地を管轄する**警察署の生活安全課(風俗営業係)**です。
事前相談を行う主な目的
- 店舗所在地の確認(用途地域や保全対象施設)
- 必要な書類や図面の確認
- 警察署独自の運用ルールを把握する
- 受付可能なスケジュールの調整
- 担当官との信頼関係の構築
現場での“あるある”なローカルルール例
- 図面の縮尺が「1/100」以外は受付不可
- CADでの作成が原則(手書き不可)
- 写真の撮影角度・画角の細かい指定
- 申請は完全予約制で、1日1件のみ受付
- 提出書類の部数が指定より多い
これらは法律や政令に明記されていない「実務上の取り扱い」です。事前に確認していないと、申請書を持参しても“突き返される”こともあります。
事前相談時のポイントと持ち物リスト
警察署での事前相談は、基本的に予約が必要です。訪問時には以下のような資料を持参するとスムーズです。
持参すると良いもの
- 物件の賃貸契約書(または案)
- 店舗の間取り図・レイアウト図(簡易でOK)
- 周辺地図(用途地域の確認用)
- 営業種態の説明資料(接待の有無など)
- 営業時間・接客形態に関するメモ
相談時のチェックポイント
- この物件で風俗営業許可は取れるか?
- どの号営業に該当するか?
- 必要図面・提出書類の確認
- 住民説明が必要か?
- 審査スケジュールや所要期間
相談時の注意点
- 警察署は「相談機関」ではなく「取締機関」
- 言い方や態度によっては、余計なチェックを受ける可能性も。誠実・丁寧な対応が基本です。
- 申請代理人(行政書士)が対応する場合でも、依頼人情報を明確に
- 所在地・物件・営業内容などに曖昧な点があると不信感を持たれる可能性があります。
- 軽率な「口約束」はNG
- その場で「この形式ならOKですよ」と言われても、必ず文書ベースで裏付けを取っておくこと。
よくある失敗例
| 失敗パターン | 結果 |
|---|---|
| 図面の形式が警察署のルールに合わず再提出 | 申請受付に1〜2週間遅れ |
| 用途地域NGの物件で申請準備を進めていた | 費用と時間が無駄に |
| 深夜営業の届け出を忘れていた | 開業直前に営業停止を指導される |
| 相談ナシで申請→担当官とトラブル | 調査・審査が厳しくなる |
行政書士としての実務アドバイス
- 初回相談時から、なるべく図面と営業概要は準備しておく
- 言質を取るよりも、信頼関係の構築が最優先
- 曖昧な点は「文書照会」などを活用して記録に残す
- 現地調査の段階でトラブルが起きないよう、事前に住民関係や店舗構造も確認
まとめ
| 内容 | ポイント |
|---|---|
| 事前相談の必要性 | 実務的には必須!警察署ごとの運用に対応するため |
| 相談時に確認すべきこと | 物件適格性・図面様式・必要書類・スケジュール等 |
| 注意点 | 丁寧な対応・記録の残し方・ローカルルールの把握 |
| 行政書士の役割 | トラブルを未然に防ぎ、警察署との円滑な連携を図る役 |
おわりに
風俗営業許可は「出せば通る」ものではなく、事前準備と警察との連携が非常に重要です。
スムーズな申請・確実な開業のためには、行政書士のサポートが非常に有効です。お困りの際は、風営法に精通した専門家にご相談ください。